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人生はレストランで、言葉は全て注文だ

特に日本人社会ではお世辞ばかりいう人がいる。

「思ってもいないことを言って、人を馬鹿にしているのか」と思うことすらある。

若いお母さんと子供をみれば 「ご姉妹ですか」 などと思ってもいないことを口に出す。もちろん、それが若々しいお母さんと高校生くらいの女の子であれば、「ご姉妹ですか」はそれほどおかしいことでもないかもしれない。しかし、子供が3、4歳ともなれば「ご姉妹ですか」という言葉は、たちまち浮ついた身のない、心のないものとなる。

僕はエンジニアだから特定の技術分野は得意なものはある。だけど、あらゆるものが得意だ、ということは当然ありえない。これは常識だ。僕は得意なものは得意、というタイプなのでそういっていれば、すぐに冷やかしてくる人がいる。「だどさんなら何でもできますよね」と。その顔は薄ら笑いを浮かべている。そう思ってはいないのだ。

「ご兄弟ですか」「何でも出来ますよね」・・・、そう聞けば、「そんなわけないだろ」、と心で怒りつつも、表面では「ははは。そんなわけないでしょう。」とその場を穏やかに済ませることになる。

こんなやり取りの何が楽しいのか。何のため、そんなことを言うのか。

特にこうした浮ついたことをいう人には、アメリカに来て良く出くわすようになったと感じる。アメリカで出会う人は日本全国からくるので、もしかしたら日本であまり出会わなかった地方の人がそういうことをいわば礼儀としていうのかもしれない。僕は仙台市出身、大学時代を北海道で過ごし、日本の仕事は東京だったから、中部地方から九州のほうに、そういう地区があるのか。あるいは日本海側か、などとおもったり。

あるいは、アメリカ人が大げさに表現したものをそのまま真似る人がおおいのかもしれない。アメリカ人がいうのには一理あることもある。例えば、自分が経験することだけど、人種が違う場合、年齢を推測することが難しいことがある。アジア系、特に日本や台湾あるいは韓国の人であれば、着ているもまぁまぁ似ていたりすることもあって、年齢の推定精度も比較的高い。しかし、白人女性、黒人男性のように、人種がことなると推定が格段に難しい。

何かで読んだ下世話な話だけど、白人男性からは日本人女性は非常に若く見えるのだそうだ。このため、特定の性癖(ずばり言えばロリコン)の人からは、日本のAVなどは非常に人気があるのだとか・・・。

話を戻せば、こうした背景があれば、人種の異なる人が年齢の推測を大きく誤ったとしても不思議ではない。小さな子供と若いお母さんを姉妹と間違ったような顔をすることが、それほどおかしなことでもない場合もあるだろう。

しかし、日本人同士となればやはり「そんなわけねぇだろ」とツッコミを入れたくなるような出来事と思われるのである。明らかに意図して、見え透いたお世辞のようなものを言っているのである。

見え透いたお世辞のようなもの。こんなものを言われてうれしい人がいるのだろうか。もしかしたら、お世辞でも何でも、それを嬉しがる人が多いために、それを言う人が多いのかもしれない。とすれば、それは善意で行われたこと、ということになる。

自分は見え透いたお世辞は直ちに見抜ける、と思いたいが、残念ながら「これはお世辞だ」と気づいたときには「お世辞に気付いた」でいいけど、気付かなかったときはそもそもお世辞をまに受けたことすら気付けない。相手は「この人、お世辞を真に受けた」と気付くだろうが、不幸なことに言われた側は「気付くときは気付く」「気付けないときは気付かない」という程度でしか認識できない。

しかしお世辞はそもそも嘘だ。それにたとえ喜んだとしても、事実が変わることはない。枯れた黒い花を見て「この花は赤くて瑞々しくきれいだ」と言ったところで、その花が赤くて瑞々しいことはない。素晴らしいものを心から賞賛することは良いことだけれど、嘘で賞賛したところで何も良くならないし、褒められたものは何もない。

レストランに行って何か食べたいものを注文する。カレーを食べたいのに、そっちが望ましいだろうと勝手に決めつけ「ステーキをください」と言いつづける。あなたはいつまで経っても欲しいものが得られず、レストランはいつまで経っても客であるあなたの要望を満たすことが出来ない。どちらも不幸である。

カレーが食べたいと思ったらあなたは「カレーが食べたい」というべきである。そしてレストランはおいしいカレーを出す。レストランが上手に作れたときは、「とてもおいしい。満足した」と心からの賞賛を送る。レストラン側もその言葉が嬉しい。残念ながらレストランがあなたの満足するものを作れなかったら、「少し甘すぎた。もう少し辛いものが食べたかった」と言う。レストランは「次回こそは」と、あなたが満足できるカレーをだせる可能性がでてくるし、あなたは次回はおいしいカレーにありつける可能性は高まる。

心からの言葉であれば、良いことでも悪いことでも身のあるものだ。

人生すべてレストランの注文と思うべきなのだ。


だど 管理人:だど
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4/15/1973生
血液型B型
仙台市出身
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